買われすぎ・売られすぎ
市場には体温計の役割をする指標があります。直近の値動きがどれだけ一方的だったかを数字で測る道具です。この数字が上の基準を超えると買われすぎ(あまりに多く、あまりに速く上がった)、下の基準を超えると売られすぎ(あまりに多く、あまりに速く売られた)と呼びます。
指標ごとに基準の数字が違います。RSIは70超が買われすぎ、30未満が売られすぎです。ストキャスティクスは80超と20未満を使います。CCIは+100超と-100未満です。例えばビットコインが1日で5%急落すると、RSIが30を割り、ストキャスティクスが20を割って、複数の指標が同時に「売られすぎ」を指すことはよくあります。
なぜこんな状態に、わざわざ名前を付けて呼ぶのでしょうか?多くのトレーダーが「過剰に偏ったものは戻ってくる」という期待を持っているからです。売られすぎなら反発を、買われすぎなら調整を狙うわけです。ゴムひもを引っ張れば、放したとき戻ってくるという直感です。
しかし、市場はゴムひもではないことが多いのです。強い下落相場では売られすぎ状態が解消されないまま価格がさらに下がり続け、強い上昇相場では買われすぎのまま数週間上がり続けることもあります。買われすぎ・売られすぎは「偏った」という事実だけを教えてくれ、その偏りが戻るのか、さらに続くのかは教えてくれません。
もう一つ注意点があります。複数の指標が同時に売られすぎを指すと根拠が積み上がったように感じますが、これらの指標はほとんど同じ価格データを少しずつ違う方法で計算したものなので、実際にはほぼ常に一緒に動きます。指標が三つ同時に点灯したからといって、根拠が3倍になるわけではありません。
What the data actually shows
バロバラは、買われすぎ・売られすぎ系のシグナルが点灯した後、ビットコイン価格が実際どこへ行ったのか、過去の事例全体を公開しています。先に言うと、「売られすぎ後の反発」も「買われすぎ後の下落」もおおむね五分五分に近く、条件によって多少の傾きがある程度です。指標別に直接比べてみてください: RSI売られすぎ、ストキャスティクス売られすぎ、CCI売られすぎ、反対側はRSI買われすぎ、ストキャスティクス買われすぎ。全シグナルの勝率・期待値のリストはセットアップカタログにあります。Common misconceptions
一つ目の誤解:「売られすぎ=安い、今が底」。売られすぎは直近の動きの偏りを測ったものであって、価格が割安だという評価ではありません。売られすぎの状態からさらに半値になることも、市場では実際にあります。二つ目の誤解:「RSI、ストキャスティクス、CCIが全部売られすぎだから強力な買い根拠」。これらの指標は同じ価格データを違う形に要約したものなので、もともと一緒に動きます。複数が同時に点灯したのはシグナルが強いからではなく、計算が重なっているから、という場合がほとんどです。
FAQ
Q. 売られすぎで買って、買われすぎで売れば儲かりますか?
そんなに単純には通用しません。バロバラが過去の事例を全部数えた結果、売られすぎの後に上がったケースと下がったケースは、おおむね五分五分に近いものでした。手数料まで引くと期待値がマイナスになる条件もあります。戦略ではなく状態表示として読むのが安全です。
Q. 買われすぎ・売られすぎの基準(70/30、80/20)は誰が決めたのですか?
指標を作った人たちが提案した慣例が定着したものです。市場の法則ではなく便宜上の目盛りなので、基準を少し変えたからといって当てる能力が生まれるわけではありません。大事なのは基準の数字ではなく、その基準を超えたとき実際に何が起きたかの記録です。