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押し目・戻り(プルバック)

プルバック(押し目・戻り)は、価格が大きな方向へ動いている途中で、一時的に反対方向へ引く区間のことです。上昇途中の短い下落、下落途中の短い反発が、どちらもプルバックです。トレンドが終わったのではなく、少し休んでいるだけかもしれない、という見方が込められた用語です。

価格は一方向に進むときも、直線では進みません。階段のように上がり、波のように押されてはまた進みます。例えばビットコインが60,000ドルから66,000ドルまで上がって63,000ドルまで押されたなら、6,000ドル上がったうちの3,000ドルを返したわけです。これを「上昇分の50%を戻した」と表現します。こうした一時的な後退が、まさにプルバック(押し目)です。

トレーダーがプルバックを好む理由はシンプルです。すでにさんざん上がった価格を天井で追いかけて買うより、押されたときに少しでも安く買う方がましだと考えるからです。そこで「押し目買い」という言葉が生まれ、上昇トレンドでプルバックが出ればエントリーチャンスと見る通念が広く浸透しています。

どれくらい戻すのが「ちょうどいい」プルバックかについての慣習的な数字もあります。直前の動きの38.2%、50%、61.8%といったフィボナッチ比率が有名ですが、多くの人が同じ場所を見ているということ以上の、魔法のような根拠がある数字ではありません。価格がその近くで止まるときもあれば、そのまま突き抜けていくときもあります。

本当に難しい問題は別にあります。今のこの下落が一時的なプルバックなのか、トレンド自体が折れた反転なのかは、その瞬間には区別できないということです。プルバックだと信じて買ったのに反転だったなら、落ちてくるナイフをつかんだことになります。両者の違いは後になって初めて確定し、チャート上のどんな線も、それを前もって保証してはくれません。

だからプルバックという概念は「安く買う秘訣」というより、価格はもともとジグザグに動くものだと理解するための枠組みとして受け止めるのが安全です。一度の押しに驚いて売ったり、押したという理由だけで飛びついて買ったりする前に、そういう場面で過去に実際何が起きたのかを数えてみるのが先です。

What the data actually shows

「大きく押した場面」を捉えようとする代表的なシグナルの過去の成績を、バロバラがすべて数えて公開しています。短期間に過剰に売られたとみるRSI売られすぎシグナルの過去記録、ローソク足が連続で押した3本連続下落シグナルの過去記録を見ると、その後価格が上がったケースと下がったケースは、おおむね五分五分に近いです。「押した後は反発」という通念が、データでははっきり確認できないという意味です。もちろんこれも過去の分布にすぎず、次を予測する数字ではありません。

Common misconceptions

「押し目買いは安全?」 プルバックかトレンド反転かは、事後にしか区別できません。下落途中のすべての地点は「押し目」に見え、そのうち一部だけが結果的に押し目だったにすぎません。押したという事実そのものは、安全を保証しません。

「50%や61.8%まで戻せば反発する?」 フィボナッチ比率は多くの人が参考にする慣習であって、価格が守るべき法則ではありません。その地点で止まった事例が記憶に残るだけで、そのまま突き抜けて下げた事例もいくらでもあります。

FAQ

Q. プルバックとトレンド反転はどう見分けますか?

リアルタイムで確実に見分ける方法はありません。後になって、価格が元の方向へまた進んだならプルバック、新しい方向へ進み続けたなら反転と、事後に名前を付けるだけです。だから多くのトレーダーは、「間違えたときどこで出るか」(損切り基準)を先に決めておく方に力を注ぎます。

Q. 下落相場で一時的に上がるのもプルバックですか?

はい、下落トレンドの中の一時的な反発もプルバックです。市場では「デッドキャットバウンス」というあだ名でも呼ばれます。下落相場で反発が出たからといって、底が確認されたわけではない、という文脈で使われる言葉です。

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