トレンド相場・レンジ相場
市場は大きく二つの表情を持っています。一つは方向のある表情です。例えばビットコインが1か月かけて6万ドルから7万ドルまで階段状に上がっていったなら、途中に細かい波はあっても、大きな方向は上でした。こういう時期をトレンド相場と呼びます。上がるトレンドなら上昇相場、下がるトレンドなら下落相場です。
もう一つは方向のない表情です。数週間のあいだ、6万5千ドルと6万7千ドルの間だけを退屈に行ったり来たりしているなら、上にも下にも行けず、横ばいで這っている状態です。これをレンジ相場(ボックス相場)と呼びます。統計的に、市場は思いのほか多くの時間を、このレンジ状態で過ごします。
この区別が重要な理由は、シグナルごとに相性が違うからです。「たくさん下げたから反発を狙う」という売られすぎ系のシグナルは、レンジの中を上下するレンジ相場で通用するという通念があり、「ボックスを抜けたからついて行く」というブレイク系のシグナルは、トレンド相場で通用するという通念があります。逆に使うと、正反対の結果が出やすいのです。同じシグナルの成績が時期によって乱高下する大きな理由の一つが、まさにこれです。
問題は、今がトレンド相場なのかレンジ相場なのかは、過ぎてからでないと確定しないという点です。チャートの左側(過去)は誰でも完璧に区別できますが、チャートの右端(今)では、この動きが新しいトレンドの始まりなのか、レンジの中の細かい波なのかわかりません。移動平均線の傾きやボラティリティ指標で見当をつける方法はありますが、どれも価格が動いた後についてくる遅行ツールです。
だから現実的な使い道は「次の相場を当てること」ではなく、自分が見ているシグナルが過去のどんな相場でどんな成績を出したのかを確認し、今の相場つきが変われば、その成績も変わり得ると知って入ることです。
What the data actually shows
バロバラのシグナル記録にも、この区別の痕跡がそのまま見えます。例えば、狭いレンジ(バンドスクイーズ)を上に抜ける瞬間を捉えるバンドスクイーズ+上抜けシグナルの過去記録や、下落後の反発を期待する場面であるRSI売られすぎシグナルの過去記録を見ると、全体平均では、上がったケースと下がったケースが五分五分に近いです。どんな相場で出たかによって結果が分かれるのですが、問題はその「相場」が事前にはわからないこと——だからバロバラは、うまくいった区間だけを選んで見せず、全体の分布を公開しています。過去の分布であって、予測ではありません。
Common misconceptions
「上級者はトレンド転換を事前に知っている?」 トレンドとレンジは、過ぎてから確定する事後の分類です。転換点をリアルタイムで言い当てる検証済みの方法は確認されておらず、当てた事例が有名になるのは、外れた事例が静かに忘れられるからという場合が多いです。
「レンジを抜けたら必ず大きく動く?」 ボックスを抜けるふりをして戻ってくる、ダマシのブレイクもよくあります。ブレイクが本物のトレンドにつながったかはその都度違い、過去の記録を数えてみると、ブレイク系シグナルも五分五分に近い区間が多いです。
FAQ
Q. 今がトレンド相場かレンジ相場か、どう確認しますか?
完璧な方法はありません。よくあるのは、移動平均線が一方向に傾いていて価格がその上か下に留まり続けるならトレンド、移動平均線が平らで価格がその周りを行き来するならレンジ、と見当をつけるやり方です。ただし、この判別自体が価格の後追いなので、相場つきが変わる瞬間にはどうしても遅れます。
Q. レンジ相場では、取引を休む方がいいですか?
正解はありませんが、トレンドについて行くタイプの売買は、レンジ相場で頻発するダマシで損失が積み重なりやすい、というのが一般的な経験則です。逆に、レンジの上下を往復する性質を利用するやり方もあります。どちらにせよ、自分のやり方が過去どんな相場でどんな成績だったのかを、データで確認するのが先です。